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アメリカでは信頼性のある薬剤師、日本とはどのように違うのか?

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アメリカの国旗と朝日

アメリカで「信頼できる職業」について調査すると、薬剤師がかなり上位に来ると聞いたことがある方は多いと思います。

実際にアメリカでは消防士や看護師の次、医師と同じレベルで薬剤師が「信頼できる」と回答されているんです。

一方日本では就職の安定性から「なりたい職業」としての人気は高まっているものの、信頼できる職業としてはあまり挙げられません。

そこでアメリカの薬剤師と日本の薬剤師、いったい何が違うのかを調べてみました。

日本の薬剤師がアメリカの薬剤師のように信頼されるためにはどうすればよいのかも、考えてみようと思います。



アメリカの薬剤師には「処方権」がある!

まずアメリカの薬剤師と日本の薬剤師で一番大きな違いは、「処方権の有無」です。

日本の薬剤師にとっては信じられないことですが、アメリカの薬剤師には処方権があります。

処方権と言っても全ての薬を自由に処方できるわけではなく、医療機関の取り決めの中で処方を行う・医師が一度処方した「リフィル処方せん」に基づいて処方するなど一定のルールはあります。

ただ状態の安定している患者にとっては薬剤師に会うのみで処方してもらえるので、手間が省けますね。

医師に会って処方してもらうよりも、圧倒的に時間・お金ともに節約可能。

アメリカの薬剤師が処方権を持つ理由は、アメリカ人の約6人に1人は保険に入っていないことが理由の一つとして挙げられます。

日本は国民皆保険制度があるため病院に行ってもそれほど高額な医療費はかかりませんが、無保険で病院にかかればかなり多額の医療費が請求されることに。

そのためアメリカでは体調を崩したら病院よりも先に薬局に行き薬剤師に相談する習慣があります。

そこで市販薬を購入し様子を見て、それでもダメなら病院へ。

アメリカは日本よりもスイッチOTCが多いので、薬局のみで解決する症状も多いです。

病院にかかったとしてもリフィル処方せんなど病院に複数回かからなくて良い制度があるため、医療費は最小限で済みます。

このような仕組みからアメリカでは医師よりも薬剤師に触れあう機会・相談する機会が多く、薬剤師の地位が高いということです。

なぜアメリカの薬剤師は医師からも頼りにされるの?

日本の薬剤師は、残念ながら医師にはっきりと意見を言いにくい状況です。

もちろん薬剤師や看護師など多くの医療従事者から様々な情報を取りいれるタイプの医師もいますが、日本では薬剤師の地位が高くなく「頼りにされている」とは言い難いですね。

一方アメリカの薬剤師は医師に対しても積極的に薬学的見解による意見を伝え、自ら医療チームに加わっています。

日本の薬剤師には処方権がないため地位が低いというのもありますが、それ以外にも大きな違いは「薬剤師の知識量」です。

日本の薬学部が6年制になってから10年以上が経ちましたが、まだカリキュラムが整っているとは言い難く「4年制に比べて2年分知識が増えた」とは言い切れません。

カリキュラムによっては2年早く現場に出て経験を積んだ方が良いかもしれないと思えるものも…。

一方アメリカで薬剤師になるためには4年大学卒業後に薬学部の博士号を取る必要があり、成績によっては1年分スキップも可能ですが、どんなに早くても7年かかります。

さらにそこから約1,500時間(州により時間数が異なる)のインターンを経験する必要があり、それが終了してやっと薬剤師国家試験の受験資格を得ることができるんです。

この内容は日本の医師免許取得までとほとんど変わらないですね。

つまりアメリカの薬剤師は医師レベルの知識を持っているということ。
資格取得に至るまでにかかる手間や年数、努力そして学費も日本とは段違い。

アメリカの薬剤師の多くが高いコミュニケーションスキルを持っていることも医師に積極的に意見できる理由の一つでもありますが、それよりも豊富な知識を持っていることが日本の薬剤師との大きな違いですね。

国家資格取得までの道のりが全然違うのでアメリカの薬剤師ほどの知識を身に着けるのは大変ではありますが、日本の薬剤師は現場に出るのが早い分実践で知識や経験を積んで行きたいところです。

アメリカの薬剤師の平均年収は1,000万円越え

日本に比べて資格取得までがかなり大変なアメリカの薬剤師ですが、その分見返りも大きいです。

日本の薬剤師全体の平均年収は550万円程度ですが、アメリカの薬剤師の平均年収はなんと1,000万以上。
(平均年収は州により差がありますが、全体での平均は1,000万円を超えています。)

製薬会社勤務など少数派を除けば日本では多くの薬剤師が病院・調剤薬局・ドラッグストアのどこかで働きますね。

アメリカでも病院で勤務する薬剤師はいますが、多数の薬剤師が調剤併設型のドラッグストアで働いています。

前述のようにアメリカは皆保険制度ではないためドラッグストアの利用率が日本よりも圧倒的に高く、医療用成分からのスイッチOTCも多いため専門的知識が求められます。

そのため調剤薬局単体での店舗はほとんどなく、多くがドラッグストアとの併設型なんです。

日本では併設店と言っても調剤側とドラッグストア側で勤務している薬剤師が異なり、手が足りないときにサポートする程度ということが多いですよね。

アメリカの併設店では調剤・ドラッグストアのどちらも薬剤師全員がしっかりこなすことができ、OTC・医療用薬両方の知識を持っています。

当然お客さんの症状や要望を聞いて薬を提案しなくてはならないので、高いコミュニケーションスキルも必要な職場。

「OTCはちょっと苦手」という薬剤師が多いように、日本の薬剤師でOTCも調剤も自信持ってこなせるという方は少ないはず。

アメリカの薬剤師は資格取得までに積み上げた知識の上に、さらに高いレベルでの知識量が求められる仕事をしているので、年収が高いんですね。

さらに現在の日本では考えられないことですが、アメリカの薬剤師免許は更新制です。

更新と言っても薬剤師国家試験を再度受けるということではないですが、更新のためには講座や研修を受けて単位を集める必要があります。

日本でいう研修認定薬剤師よりも期間が短く、内容がより実践的なものという印象です。

更新に必要な単位数や費用は州によって異なりますが、更新は2年に1回です。

現状ほとんど意味を成していない研修認定薬剤師制度に代わり、日本もいずれ単位取得を求める更新制度が導入されるかもしれませんね。

今後日本の薬剤師はどうなって行くべき?

日本の薬剤師が今後アメリカの薬剤師のように信頼されるためには、どう変わっていくべきでしょうか。

医師に意見を伝える・知識量を増やす…などと言うのは簡単ですが、結論から言うと個人でできることには限りがあります。

アメリカの薬剤師の地位が高い理由として挙げられるものはいくつかありましたが、その中でも「薬剤師になるまでの過程が長く困難」が一番大きな要因でしょう。

国として資格を与えるまでに多くの知識をつけることを必須としたカリキュラムを組んでいるアメリカの薬剤師に、日本の薬剤師が現状の制度のまま追いつくことはかなり困難です。

でも「じゃあ制度が違うから何もしなくていいか」ということにもならないですよね。

日本の薬剤師もアメリカの薬剤師に負けないように知識をつけられるよう、自己学習を積んだり、専門薬剤師資格を取得するなどできることはあります。

「国民に信頼される」ことに重点を置くなら、やはり力を入れたいのは在宅医療。

より患者さんに近い環境で様々な問題を解決できるように、企業単位・個人として在宅への知識や経験を積んでいければ良いですね。

日本の薬剤師の将来が心配と感じる方も、在宅医療に目を向けるのが一番良い方法でしょう。

今いる環境では在宅の知識をつけることが難しいと感じるなら、早めに転職を検討するのも悪くない方法です。

薬剤師会も薬剤師の地位向上のために、可能な範囲で制度を整えて行って欲しいですね。

まとめ

日本の薬剤師に比べ、国民から圧倒的信頼を得ているアメリカの薬剤師。

その理由として国家資格取得までの道のりがとても長く、それによる高い知識量を持っていることが挙げられます。

国家資格が更新制なこともあり、常に自己学習を続けていることもアメリカの薬剤師の地位が高いことに繋がりそうです。

さらにドラッグストア併設薬局などで常に国民と近いところで働いていることも、信頼を得ている理由の一つ。

制度が違うためアメリカの薬剤師のようになるのは難しいですが、国民にとって身近で信頼できる薬剤師になるためには、在宅医療に力を入れるという道がありますね。

患者さんにとって困ったときにすぐに相談できて、問題を解決してあげられる存在になれるように、薬剤師としてのスキル・知識を高めておきましょう!

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