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免許取り消し!?薬剤師の絶対的欠格事由と相対的欠格事由について

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指でバツのする女性

現在薬剤師資格を持っている人にはあまり関係のない言葉であり、「あ~薬事の勉強で出てきたかも…」という印象程度だと思います。

「欠落事由」とは、簡単に言うと「資格を喪失する理由」のこと。
「欠落」とは「資格を喪失すること」を指します。

薬剤師資格は薬剤師国家試験に合格すれば無条件でもらえると思われていますが、この「欠落事由」に該当してしまうと薬剤師免許をもらえない、もしくは取り上げられる可能性があるんですよ。

自分の大切な資格を手放さないために、薬剤師の欠落事由について見直してみましょう。



欠格事由には「絶対的欠格事由」と「相対的欠格事由」の2種類がある

薬剤師の欠落事由については薬剤師法の第二章に示されています。

その中の第四条には「絶対的欠落事由」そして第五条には「相対的欠落事由」の詳細が書かれており、実際の内容は以下のとおりです。

第四条 未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。

第五条 次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。

一 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三 罰金以上の刑に処せられた者
四 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者

薬剤師法

この2つの欠落事由の大きな違いは、第四条の「免許を与えない」第五条の「免許を与えないことがある」という部分。

第四条の欠落事由に当てはまる場合には絶対に薬剤師免許をもらえませんが、第五条の欠落事由に当てはまっていても免許をもらえることがあるということです。

この2つの欠落事由は薬剤師以外にも、医師・歯科医師・看護師など国家資格の大半に存在します。

薬剤師の「絶対的欠格事由」とは?免許は誰に与えられないもの?

寒くてほっぺをおさえる女の子

それでは改めて、薬剤師の絶対的欠落事由について薬剤師法の記述を見てみましょう。

未成年者、成年被後見人又は被保佐人には、免許を与えない。

つまり薬剤師国家試験に合格しても絶対に免許を与えられないのは「未成年者」「成年被後見人」「被保佐人」のいずれか、もしくは複数に該当する場合。

未成年

未成年者はわかりやすいですね。

薬学部は6年制のため、通常であれば卒業時に24歳以上になっています。

万が一飛び級で大学に合格し、未成年で薬学部卒業・国家試験に合格したとしても、薬剤師免許は与えられないということです。

成年被後見人

続いて「成年被後見人」とは、精神的に障害があり判断能力に欠く状態にある人のことを言います。

精神的な障害理由としては精神疾患のほか、認知症や生まれつきの知的障害なども該当します。

成年被後見人は他人によって指定されるものではなく、本人が希望して家庭裁判所に申請することで「後見開始」となります。

薬剤師以外にも様々な資格所有ができなくなってしまうためデメリットしかないように感じられますが、成年被後見人の保護者である「成年後見人」を指定できることが最大のメリットです。

判断力に欠ける成年被後見人が契約を行ってしまった場合などに、成年後見人がその契約を解除することができます。
また、成年後見人が代理で契約をすることも可能です。

成年被後見人は、判断力に不安がある方がトラブルを回避して生活するために制定された制度です。

被保佐人

最後に「被保佐人」の説明です。

被保佐人も成年被後見人と同じように、本人の申し出により家庭裁判所から指定を受けます。

こちらにも同様に「保佐人」と呼ばれる保護者がおり、被保佐人に代わって契約やその解除が可能です。

被保佐人は成年被後見人よりも障害の軽い人が指定されるものであり、被保佐人は自身で契約を行えるなど自由度も高いです。

ただしどちらも薬剤師資格を喪失することに変わりはないため、万が一身の回りの薬剤師が「成年被後見人」「被保佐人」の申請を行うことがあれば、薬剤師資格を失うことも考慮して申請してください。

薬剤師の「相対的欠格事由」とは?

本を持ち囚人の格好をする男性

こちらも改めて欠落事由の内容を見てみましょう。

  • 心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
  • 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
  • 罰金以上の刑に処せられた者
  • 前号に該当する者を除くほか、薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者

心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない

「心身の障害により薬剤師の業務を適正に行うことができない」とは、具体的には統合失調症など精神疾患・認知症など記憶力に影響が出る疾患などが対象となります。

それらの疾患を抱えているからと言って、即座に薬剤師免許が取消になるわけではありません。
医師の診断によって薬剤師の仕事を適正に行えるだけの認知力・判断力などが備わっていないと判断された場合のみ、免許が停止となります。

周囲の補助や休職して治療をすることにより改善が見込まれる場合には、免許の処分は保留となりますので、精神疾患になったら薬剤師免許が取り上げになるわけではありませんので安心してください。

麻薬・大麻・あへんの中毒者

「麻薬・大麻・あへんの中毒者」が薬剤師として不適と判断されるのは当然ですね。

薬の門番である薬剤師が、薬の決まりを破るのは許されません。
この場合には多くの場合「免許取り消し」となります。

罰金以上の刑に処せられた者

「罰金以上の刑に処せられた者」とは、罰金・懲役・死刑・禁固の刑が確定した場合に該当します。

罰金と聞くと身近なところでは交通違反での罰金を思い浮かべてしまいますよね。

どんなに程度が軽くとも罰金刑は罰金刑なので「相対的欠落事由」に該当します。

ただし交通違反など軽微な罪での罰金刑により、薬剤師免許が取り消しになることはほぼありません。
そのため相対的欠落事由の条文に「免許を与えないことがある」と書かれています。

ただし内容が悪質であれば免許取り消しを検討されてしまうこともあるため、日常生活での行動にも十分に注意が必要ですね。

薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者

「薬事に関し犯罪又は不正の行為があつた者」とは、例えば医薬品の不正使用や違法な取引などに関わったことを指します。

過去には勤め先の向精神薬を盗んで使用・販売した薬剤師の免許が取り消しとなった事例があります。

処方せんの改ざんなども同様に薬事に関わる罪なので、薬事法・一般法律に違反する行動は薬剤師資格を失うことにつながる可能性があります。

相対的欠落事由に該当すると判断された場合、厚生労働大臣より「戒告」「三年以内の業務の停止」「免許の取り消し」のいずれかが処分として下されます。

戒告は実際には処分とまではいきませんが、「今後の行動次第では免許取り消しとなる」という意味があるため、十分に注意しましょう。

一度薬剤師免許を失ったらもう薬剤師には戻れない?

指をあごに当て悩む女性

実は欠落事由に該当しなくなれば、免許再交付が可能です。

その場合には最後に免許を失ってから、五年以上経過していることが条件となります。

つまり絶対的欠落事由となる成年被後見人・被保佐人でなくなれば免許復活が可能ですし、精神疾患により相対的欠落事由に該当した場合にも、免許取り消しから症状が落ち着いて申請すれば再免許となります。

ただし犯罪により薬剤師免許が取り消しとなった場合には、同様の罪を犯す可能性がないか・薬剤師として適した人物かどうか十分に審議した上での交付となるため、必ず再免許となるとは限りません。

薬剤師の処分理由は相対的欠落事由以外にも「薬剤師としての品位を損するような行為のあったとき」と定められているためです。

病気以外での免許喪失をした場合には、簡単には薬剤師に戻れないと思った方が良いですね。

まとめ

薬剤師の資格は一度試験に合格すれば更新試験もなく「一生もの」と思われがちですが、実は停止や取り消しになる可能性があります。

病気が理由で取り消しとなった場合には欠落事由に該当しなくなれば免許復活ができますが、犯罪理由だと再免許が難しくなります。
法を守れない人間に薬の資格を与える訳にはいかないですよね。

「欠落事由なんて自分には関係ない」と思っていた人も、大切な薬剤師資格を失わないために今一度行動を見直してみましょう。

軽犯罪や交通違反でも「罰金刑」となることには変わりません。

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