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競技を公平に行い、選手を守るために知識を活かすスポーツファーマシストという仕事

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走る準備をするランナー

以前に比べてメディアでドーピングに触れられる機会が増え、スポーツファーマシストという仕事についても耳にする機会が増えたことと思います。

それでもまだまだ薬剤師の中でもドーピングに対する知識はメジャーではなく、スポーツファーマシストがどんなものかはあまり知られていません。

そこでスポーツファーマシストについて、詳しく見てみましょう。

これから先ドーピングに対する知識は、病院・薬局・ドラッグストアなど勤務場所に関わらず広く求められるようになる可能性が高いですよ。

いざという時にスポーツ選手の力になれるように、薬剤師として最低限の知識はつけておきたいです。

スポーツファーマシストとは、ドーピングに対する最新知識を持った薬剤師

薬とコップ

スポーツファーマシストとは、スポーツをする人たちを薬学の知識で手助けする立場です。

日本アンチ・ドーピング機構の定めた講習を受講し、試験に合格した薬剤師のみが名乗ることができます。

日本人にとってドーピングはまだまだ馴染みがありませんが、世界的には歴史が長く根深い問題。

メジャーリーガーや金メダリストのドーピング発覚で、資格やメダル・賞の剥奪も起きています。

スポーツをする人の意識が問題と思われがちのドーピング問題ですが、実は「うっかりドーピング」もかなり多いんです。

日本では最近では個人輸入などがあるものの禁止薬物を入手する手段があまりないので、うっかりドーピングの方が大きな問題ですね。

うっかりドーピングとは「ドーピングするつもりがなかったのに禁止薬物を知らないうちに飲んで、ドーピングになってしまった」という状況。

有名なところだとテニスのシャラポワ選手が長年飲んでいたメルドニウムという薬で、違反となりました。

以前は禁止薬物に該当していなかったのですが、2016年から禁止薬物に入ったのを知らなかったとのことです。

サルブタモールやクロミフェン・スピロノラクトンなど国内でも一般的に使用されている薬も禁止薬物に該当しますし、OTCの風邪薬に配合されていることが多いメチルエフェドリンやマオウも禁止です。

このようによく使用される薬のなかにもドーピングに該当する薬はたくさんあるので、スポーツファーマシストという専門家が服用して良い薬かどうかを判断する必要があるんですね。

スポーツファーマシストはスポーツをする人をサポートする大切な役割

手を取り合う二人

前述のように、飲んでいる薬やこれから飲もうとする薬が禁止薬物でないかどうか、ドーピングに該当するかどうかを判断するのはかなり大変です。

禁止薬物リストは存在しますが全ての薬物名が載っているわけではないので、かなり専門的な薬学の知識がなければ本当に禁止かどうか判断できません。

例えば、β2刺激薬であればサルブタモール・サルメタロールなどいくつかの薬物名が例として挙げられているものの「すべての選択的および非選択的ベータ2作用薬は、すべての光学異性体を含めて禁止される。(2017年禁止表国際基準)」という注意書きがあり、禁止薬物の名前全てが挙げられているわけではありません。

記載のないβ2刺激薬は問題ないと勘違いして、うっかり服用してしまうケースもあるでしょう。

そのような勘違いによるドーピングを防ぐために、スポーツ選手やスポーツをする方は専門家であるスポーツファーマシストに相談することが必要になります。

そしてスポーツファーマシストは豊富な知識から、スポーツをする方が安心して競技に臨めるように確かな情報を伝えることが求められます。

スポーツファーマシストは登録後、日本アンチ・ドーピング機構のホームページから検索可能となりますので、相談したい方はそこから最寄りのスポーツファーマシストを探し相談をします。

スポーツファーマシストとして活動する薬剤師は、いつドーピングに対する相談を受けても良いように、いつも最新の情報を仕入れておく必要があるということ。

万が一間違った情報を伝えてしまうとスポーツ人生を狂わせてしまう可能性もありますので、強い責任感を持つことが求められます。

スポーツファーマシストに向いているのは高い責任感を持ち、スポーツをする方を支えて行きたいという思いを持っている薬剤師ということですね。

薬局や病院などに勤務しながら相談を受ける以外には、アンチ・ドーピングを国民に広めるための活動も行っています。

まだ身近な薬がドーピングに該当するということを知らない方は多いので、大きなスポーツ大会や学校で活動を行い選手一人一人のドーピングに対する知識を高めていくことも、スポーツファーマシストの大切な仕事です。

スポーツファーマシストにはどうやってなるの?

首をかしげる女性

アンチ・ドーピングに対する活動を行おうと考えるなら、まずはスポーツファーマシストとして認定を受ける必要があります。

日本アンチ・ドーピング機構の開催する講習を受講し認定試験に合格することで認定を受けられますが、認定試験のチャンスは1年に1回しかありません。

講習会の受講申し込みもいつでもできるわけではなく毎年4~5月ごろのみ受け付けをしており、その時期に受講申し込みをした方のみ講習会・実務講習・認定試験と進むことができます。

申込者が規定の人数を超えた場合には抽選となるようなので、取得を考えるなら万が一落選しても良いように早めに取得を検討する方がよさそうですね。

1度認定を受けると資格は4年間有効で、4年目に再度講習・認定試験を受ける必要があり、その際には初回認定時と同じ分だけ費用がかかります。

スポーツファーマシストの年収は高い?

取得や更新にそれなりに費用がかかるスポーツファーマシストの年収ですが、結論から言うとそれほど高いものではありません。

その理由は現時点では需要があまりないことと、資格取得の難易度が低いことにあります。

スポーツファーマシスト資格保持者としての求人はかなり少なく、一部整形外科の門前薬局やスポーツ選手の治療やリハビリに力を入れている病院などで見かける程度です。

そのため年収は調剤薬局で500~600万円、病院で400~600万円とスポーツファーマシストではなく薬剤師の年収とそれほど変わりませんね。
一部専門病院求人では、多少ですが高めになってるようです。

年収アップのためにスポーツファーマシストになるというよりは、アンチ・ドーピングに興味がある方や、仕事で必要になった方が取得することが多いのが現状です。

ただスポーツファーマシストの人数はまだまだ少なく、2017年4月1日で7,894名(公認スポーツファーマシスト認定制度概要)です。

まだそれほど注目されていない今のうちに資格を取りスポーツファーマシストとしての実績を積んでおくことで、国大やメディアなどに対する活動などスポーツファーマシストとして大きな仕事ができるチャンスが増えるでしょう。

薬剤師の認定資格の中では取得費用やかかる手間も少ない方なので、興味がある方は春の申し込み時期に向けてスポーツファーマシストの取得を検討してみませんか?

まとめ

指差す白衣の女性

スポーツファーマシストは競技を公平に行うため、そして選手を守るためにその知識を活かす仕事です。

年収が高いとは言い切れないので、スポーツに対する興味やアンチ・ドーピングに対するやりがいを求められる人が向いていてると言えます。

スポーツファーマシストの資格取得まではしなくても、薬局やドラッグストアに勤めていればドーピングに対する相談を受ける可能性があります。

いざ相談を受けて慌てないように、一通り禁止薬物に目を通しておきたいところ。

最新の「世界アンチ・ドーピング規定禁止表国際基準」はネット上から誰でもダウンロード可能なので、印刷して職場に1部保管しておくと良いでしょう。

薬の専門家である薬剤師は、薬で困る人がいないように知識をつけておく必要があるということですね。

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