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生涯現役!?薬剤師の定年と定年後も働き続る必要がある可能性について

更新日:

座り寄り添うお年寄り

定年後の生活を思い浮かべる際、今までは退職金で海外旅行をしたり孫の世話をしたり自由自適な生活を思い浮かべることが出来ました。

しかし、少子高齢化は進みゼロ金利は終わらず年金受給年齢は引き上げられ、定年後の生活を根本から考え直さないといけない状況になっています。

もしかしたら数十年後は一生現役で働かないと生活が苦しくなるという厳しい世の中になっているかもしれません。

今回は、日本の年金制度の変化とそれに伴う定年後の薬剤師の就業について解説します。

この記事のポイント

  • 年金受給年齢は将来的に70歳、もしかしたら75歳になるかも?
  • 年代によって支給される年金額が異なる
  • 企業の定年は大半が60歳
  • 定年後は給料が下がる
  • 定年後の給料低下補填には在職老齢年金制度と高年齢雇用継続基本給付金制度がある

日本の年金制度の変化

年金受給年齢の引き上げ?

年金制度とは一般的に引退した高齢者に対する定期的に継続的に給付される金銭の事です。

年金制度は日本だけでなく諸外国にもあり、住宅費や光熱費を部分的に補助する国もあります。
どの国の国民にとっても引退後の生活費の役割として年金制度は重要視されています。

そんな年金制度ですが、ここ数年のニュースを見聞きしている限り今後受給年齢の引き上げが起きるのではないか?と言われています。

年金受給年齢の推移を見ていきましょう。

  • 昭和19年:男子・女子共に55歳から
  • 昭和29年改正:男子 55歳から⇒60歳に引き上げ、女子 55歳のまま
  • 昭和60年改正:男子 60歳から⇒65歳に引き上げ(※ただし60歳~65歳まで特別支給の老齢厚生年金を支給)、女子 55歳から⇒60歳に引き上げ
  • 平成6年改正:男子60歳 から⇒65歳、女子 60歳から⇒65歳に引き上げ(※老齢厚生年金の定額部分について)
  • 平成12年改正:※老齢厚生年金の報酬比例部分について、男子・女子共に65歳から

昭和初期から年金の受給年齢の推移を見ていくと少しずつ年齢が引き上げられていることが分かります。

現在は、平成12年に改定されたものが実施されているわけですから、男子女子共に65歳です。
次の改定で年金受給年齢は70歳になるのではないでしょうか。

実際年金は何歳から貰えるのか?

今までは55歳、60歳、65歳から給付されていた年金が、将来は70歳からとなる時代が差し迫ってきました。

  • 年金受給年齢は将来的に70歳となる可能性が高い!
  • しかも、内閣府の検討会では75歳以降という発言も!

参考朝日新聞;年金受給「70歳以降からも可能」提言

日本人の平均寿命は昔に比べて長くなっています。

下記の表は厚生労働省からの資料で平均寿命と健康寿命の推移です。

平均寿命と健康寿命の推移
厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会

現代は男女共に寿命が80歳以上、健康寿命は70代前半にも関わらず、年金給付年齢が引き上げられるという状況です。

この状態では多くの国民が、老後の生活に不安を抱えてしまいます。
このままでは健康寿命ぎりぎりまで働かないと、年金が給付されないという状況となるでしょう。

薬剤師年収平均を600万円とすると年金はいくらになる?

さて、実際に薬剤師平均年収を600万円とすると年金は実際どのくらい貰えるのでしょうか?
年金は各自の収入や年金種類によって異なります。

自分の年金給付予定額について正確に知りたい場合は、定期的に届けられる「年金定期便」を参照してください。

年金定期便は現在までの厚生年金等の納付状況等を文書でお知らせしてくれるものです。

年金定期便の見方などは、日本年金機構のホームページで見ることができます。

年金定期便の見方

年金定期便の確認ポイント

年金定期便は定期的に確認した方がよいと言われています。
転職回数が多い人などは特に注意しましょう。

年金記録が漏れていたり、結婚や離婚で給付記録が止まっていたり、行政側の手続きミスもあるようです。

気が付いたら必ず連絡して手続きを行うようにしましょう。

知らないでいるともらえるべき年金の受給額が低くなってしまうこともありますよ!

モデル年金額調べ

お金の総合サイトであるダイヤモンドザイで2014年に年金の特集がありました。
タイトルは驚愕!今30代の年金月額は15万円程度、ウソだらけの年金の本当の受け取り額は?でした。

この表は2014年時点で35歳の人の年収30万の夫婦と単身者のモデル年金が試算されています。

2014年時点で55歳以上の人の年金が増えているのは2009年からの政策ミスで支給水準が高くなったことが起因しているようです。

それにしても、若い世代に対する年金額は低いです。
若者にツケが回ってきているのは明白ですね。

会社の定年を60歳とすると、平均寿命の80~85歳まで20~25年あります。
この20数年という期間は非常に長いです。

将来、年金受給年齢が70歳からになることや予想外に給付金額が下がる可能性もあります。
それらを見据えて早めに計画を立てておく必要があります。

企業の定年と再雇用制度について

企業の定年について

薬剤師の半数が勤務している調剤薬局業界の定年について調べていきましょう。
まずは、東証一部に上場している大手調剤薬局3社を見ていきましょう。

  • アインファーマシーズ:定年制 あり一律60歳。再雇用 あり65歳まで 店舗による
  • 日本調剤:定年は60歳。再雇用制度を利用して最大65歳まで勤務可能
  • クオール:定年制あり(60歳)、※定年後再雇用制度あり

このように大手企業は定年制があり、求人情報や会社のホームページにも情報が掲載されています。

では、中小の調剤薬局の定年はどうでしょうか。

中小企業には各会社の就業規則に定年に関して記載されています。
各自で確認するようにしましょう。

会社によって就業規則の内容はまちまちですが、定年年齢はほぼ60歳です。

再雇用に関しては会社の人事課に問い合わせるなどして詳細を聞いておくとよいでしょう。

企業の再雇用・高年齢者雇用安定法とは?

世の中の急速な高齢化によって「高年齢者雇用安定法」が作られました。

この高年齢者雇用安定法は、60歳で定年を迎えた人が継続雇用を希望したとしても雇用が継続されず、年金も支給されな いという無収入の状態を防ぐためです。

平成25年4月からは高年齢者雇用安定法の改定に伴い、国やハローワークが事業者側へ改定についてのパンフレットを配布しています。

参考厚労省 高年齢者雇用安定法の改正
参考改正高齢法リーフレット

再就職先にはどのような所があるのか?

薬剤師にとって再就職先は当然薬剤師免許が使用できる会社となるでしょう。

日本には5万7千軒も調剤薬局があります。
現役世代の様にバリバリ仕事をこなすのは難しいかもしれませんが、多くの薬局が人手不足です。

時短の就業やパートとして人員が補強されるのは現場にとって本当にありがたいことです。

薬剤師の転職サイトに登録して、高年齢者向けの求人を積極的に紹介してもらいましょう。

定年後の給料について

定年後は給料が半分に!?

定年後のお給料はどうなるのでしょう?
そして実際のところどのくらいの人が定年後も働いているのでしょうか?

厚生労働省「平成26年高年齢者の雇用状況」によると、60歳定年企業での継続雇用の割合が調査されています。

その結果、継続雇用者は81.4%、継続雇用を希望しない者は18.3%で8割以上の人が再雇用されていました。

そして、60歳定年後に働く理由のアンケートによると、働く理由は下記のとおりでした。

  • 1位:生活のため
  • 2位:老後の備え
  • 3位:会社から望まれて
  • 4位:自分の経験を生かしたい

雇用形態は正社員が3~4割、非正規社員が6割で、ポジションは6割が一般社員への格下げが現状のようです。

現役時代に比べて仕事の範囲が狭くなり責任も軽い内容にシフトされています。
そして、給料は60歳時の賃金に比べて3~7割低くなるようです。

働く者の気持ちとしては今までと同じ給料が欲しいし、生活レベルを落としたくないと思うものです。

しかし、現実は大半の人が管理職から解かれて一般社員になり、そのポジションに応じた賃金が支払われています。

在職老齢年金制度と高年齢雇用継続基本給付金制度

定年後の急なお給料低下に対応できるように設置されているのが、「厚生年金の在職老齢年金制度」と「雇用保険の高年齢雇用継続基本給付金制度」です。

在職年齢年金制度とは

公的年金を受給できる人が60歳以降も被保険者として働きながら年金を受給する場合、年金額と賃金等の合計額が一定の基準額を超えると年金の一部または全額が支給停止される制度のことです。

在職年齢年金制度を簡単に説明すると

①年金額(月額)と給料(月額)の合計が28万円以下⇒年金の減額なし
②年金額(月額)が28万円以下で給料(月額)が47万円以下⇒年金減額

在職老齢年金のイメージ

笹沼社会保険労務士事務所

高年齢雇用継続給付とは

現役の時より給料が下がった時に雇用保険から支払われる給付金です。

雇用保険の加入期間が5年以上の60歳以上65歳未満の加入者に対して、賃金額が60歳到達時の75%未満となったひとが対象です。

賃金額の0.44~15%に相当する額が雇用保険等から支払われる制度です。

例えば、60歳時に月給が35万円の薬剤師が⇒継続雇用で月給20万円となった場合
基本年金月額は10万円で、給料は20万円となります

高年齢雇用継続給付例
在職老齢年金の支給停止の仕組み

A:在職老齢年金の支給停止額は、(10万円+20万円-28万円)×1/2=1万円支給停止
B:高年齢雇用継続給付の停止年金額は、20万円×6%=1.2万円支給停止
高年齢雇用継続給付金額は、支給額=賃金(20万円)×15%=3万円

計算すると、

(10万円-2.2万円=7.8万円)+3万円+給料20万円=30.8万円

が収入です。

詳しくは日本年金機構から配布されているパンフレット「在職老齢年金の支給停止の仕組み」を参考にしてください。

まとめ

少子高齢化と日本の国家予算の関係で老後を取り巻く環境に大きな変化が訪れています。

定年後は好きな趣味をしたり家族で旅行をと余裕で考えられたのは一昔前までで、今の60歳以上の人は大半が生活の為に雇用継続を希望して働いています。

この傾向は今後10~20年でますます強くなっていくでしょう。

日本の多くの薬剤師が調剤薬局に勤めており日々の調剤で神経を使いながら仕事をしています。

人間関係や仕事の激務で体調を崩している人もいるでしょう。
日々の生活や仕事で精一杯で定年後の生活なんて考えられない人もいるでしょう。

そんな状況下で定年後のことを考えることは酷な作業です。
しかし、反対に敢えてそれを行うことで、今より将来の方がヤバイ状態になることに気が付くかもしれません。

休みなどを利用して人生の棚卸しを行ってみましょう。

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