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OTC医薬品と関わるOTC薬剤師の業務内容と必要なスキルまとめ

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薬とくまの薬剤師

「処方せんにそって調剤するのは面白くない」
「医師のいいなりになるのはイヤになった」

医師と話しあいながらよりよい処方を検討できる体制…なんて薬局は、まだまだ少ないですよね。
おかしいな~と思って疑義をしても医師に突っぱねられて理不尽な思いをした経験、ありますよね。

そんな不満が溜まっているなら、OTC薬剤師もいいですよ。

医師の処方せんに基づいて調剤を行う病院・薬局薬剤師とは違い、OTC薬剤師は自分の判断でお客さんに薬をすすめることができます。

「でもOTCのことって実はよくわからないんだよね…」
なんて薬剤師はかなり多いもの。

そこでOTC医薬品について、そして主にドラッグストアや調剤併設ドラッグストアなどで求められるOTC薬剤師について解説していきたいと思います!

そもそもOTC医薬品(一般用医薬品等)とは?

日本で販売されている「医薬品」と名のつくものは、「医療用医薬品」と「一般用医薬品」のどちらかに分類されます。

普段病院薬剤師や薬局薬剤師が処方せんに基づいて調剤しているのは、「医療用医薬品」の方ですね。

ドラッグストアや薬店などで医師の処方せんなしに購入できるのが、「一般用医薬品」で、OTC医薬品(Over The Counter=店頭・小売り)とも言います。

医薬品の分類方法はその効果や副作用が強いものを医療用、重篤な副作用を起こす可能性が低いものを一般用としていますが、長く医療用医薬品として使われその安全性が保障されていると判断されたものは医療用から一般用に転用されることもあります。

これをスイッチOTCと呼び、最近はアレグラやロキソニンが一般用へスイッチされました。

軽微な症状であれば病院に行かなくても市販薬で対処する「セルフメディケーション」を推進するためスイッチOTCは増える傾向にあります。
さらに「セルフメディケーション税制」が平成29年から導入されたため、OTCによる治療が注目されていますよ。

一般用医薬品の分類とは?

ご存じの方も多いかもしれませんが、ここで一般用医薬品の分類について簡単におさらいしておきます。

第一類医薬品

OTC薬の中で、もっとも副作用や相互作用に注意が必要なものです。

販売の際には薬剤師による書面を用いた説明が必須のため、薬剤師不在の店舗では販売できません。

客が簡単に持ち出せないような、高いところやケースの中などに陳列する必要があります。

第二類医薬品

第一類医薬品よりは副作用・相互作用共に安全性が高いものの、注意が必要な医薬品が第二類医薬品に分類されます。
第二類医薬品の中でも特に注意が必要なものは、「指定第二類医薬品」となります。

薬剤師など専門家からの指導・説明は努力規定のため、一般販売員でも取扱い可能です。
ただし薬の説明は薬剤師もしくは登録販売員から行う必要があります。

第三類医薬品

副作用・相互作用の危険が少なく、安全性が高いとされた医薬品が分類されます。

第二類医薬品同様に、薬剤師や登録販売員からの説明が義務ではありませんが、薬の効能や副作用に対する説明は資格を持った者が行う必要があります。

OTC医薬品を利用するメリットと注意点

前述のように「セルフメディケーション税制」を導入するなど、国全体の考え方としてはOTC利用を勧めています。

国民皆保険制度があること・生活保護受給者が増えていることから軽微な症状でも病院を受診する人が多く、国が負担する医療費が国庫を圧迫しているからです。

国民全体がOTC医薬品を上手に利用することで医療費が抑えられ、福祉や子育て支援にお金をまわせるようになりますね。
これはOTC医薬品利用の大きなメリットだと言えます。

OTC医薬品を使用する個人としてのメリットも、もちろんあります。

第一に、病院に行くよりも時間がかかりません。
病院を受診するとなると、かなり時間がかかるため働いている人が受診するのは結構大変ですよね。

一般用医薬品で対処するならドラッグストアで購入するだけなので、薬剤師に相談したり説明を受ける時間を考えても10分かからないでしょう。
(そう考えると悩みすぎずにパッとオススメの薬を提案してあげたいですね)

さらにセルフメディケーションをしていると、症状の原因やどの薬を使うかの判断、そして受診の必要性の有無が身についてきます。
自分の身体のことを自分がよく知っておくというのは、とても大切なことです。

「いつもの症状と違う」と思えれば、重大な疾患の兆候にも気付くキッカケとなりますよね。

OTC医薬品販売に薬剤師は必要?

「一般用医薬品の分類とは?」でお話ししたように、第二類と第三類医薬品は薬剤師がいなくても販売が可能です。

登録販売者がいれば薬の説明が可能ですし、OTC医薬品の中で薬剤師が必須な第一類医薬品はほんの少しです。
薬剤師よりも登録販売者の方が給与が安いので、積極的に薬剤師を雇うドラッグストアはないのでは…?と思うかもしれません。

確かに第一類医薬品を置かずに薬剤師を雇わず経費削減をしているドラッグストアもありますが、基本的には「可能な限り薬剤師を配置して、第一類医薬品を販売する」というのが大手ドラッグストアの方針です。

なぜなら第一類医薬品は第二類、第三類医薬品に比べてとても高価です。
高価な商品は利益率も高いことが多く、お店にとって利益となります。

さらに第一類医薬品は副作用など危険もありますが、その分医療用医薬品と変わらないくらい効果が鋭いので「すごく効いた!」と実感しやすいんですよね。
そのため第一類医薬品を一度使ったお客さんは、リピーターとなってくれる確率が高いんです。

そうは言ってもどの第一類医薬品も本当に結構高価なので、買ってもらうためには薬剤師のセールストークが試されますね(笑)

もう一つ人件費がかかってもドラッグストアが薬剤師を雇う理由は、「登録販売者との知識量に差があるから」です。

登録販売者資格試験は学歴や年齢・実務経験の有無に関わらず誰でも受験可能です。
(以前はOTCの販売実務経験が必要でしたが、現在では不要となっています)

元々薬学の知識が全くない人でも、3か月~半年ほどシッカリ勉強すれば合格できる可能性が高い試験です。

その勉強量で得た知識と、薬剤師が薬学部入学と国家試験取得までに得た知識量が一緒なわけはないですよね。

もちろん長くドラッグストア勤務をしている登録販売者だと、OTCに触れはじめた薬剤師よりもずっとOTCの知識があります。
でも薬学・生理学などの知識の裏付けがあることは、OTC接客において大きなアドバンテージになりますよ。

お客さんの症状や状況を聞いて、適切な薬を選択しアドバイスをするためには、やっぱり薬剤師が最適ということです。

OTC薬剤師はどのようなことをするか

それでは実際にOTC薬剤師がどんな仕事をするのかを、ご紹介していきます。

まずOTC薬剤師が働く主な職場は、調剤薬局併設ドラッグストア・店舗型ドラッグストアのどちらかです。

まれに健康食品やOTC販売の通信販売会社の電話・メール対応の求人が出ていることもありますが、かなりまれです。
転職サイトでも見つけられないことが多いようなレア求人なので、見つけられたらラッキーというくらい。

調剤薬局併設ドラッグストアで働く場合には、以下の2つのパターンに働き方がわかれます。

  • 普段は調剤で働いていて、必要なときだけドラッグストアで働く
  • 基本的にずっとドラッグストアで働く

調剤薬局の仕事は普段ドラッグストアで働いている人が突然飛び込んでできるものではないので、ドラッグストアメインでたまに調剤を手伝うとうパターンはほとんどないでしょう。
(調剤経験が長ければ頼まれるかもしれません)

調剤メインの薬剤師がドラッグストア側で働くというのは、ドラッグストア部門の薬剤師が休憩などで不在の場合に、ヘルプとして入るということです。
ドラッグストア側の全ての仕事を任されることは少なく、第一類医薬品の説明のときだけ呼ばれるということが多いですね。

ドラッグストアに常駐して働く薬剤師の仕事は、本当に色々なものがあります。

第一類医薬品の販売・説明は当然ですが、第二類、第三類医薬品、さらに健康食品についてもお客さんに質問されたら答える必要があります。
第一類医薬品以外は登録販売者でも対応可能ですが、その場に薬剤師がいれば薬剤師からの対応が求められるのが普通です。

他にはレジ打ち・品出し・発注・POP作成や棚卸など、ドラッグストアのスタッフがやることは薬剤師もすべてやります。

まれに「なんで薬剤師なのに、そんな力仕事や雑用をしなきゃならないの?」と思ってしまう方もいるのですが、それは逆です。

薬剤師は他のスタッフよりも多くの賃金をもらうからこそ、他のスタッフよりもたくさん働くくらいの気持ちでいないと、ドラッグストアでの仕事はつとまりません。

そうやって「なんでもできる薬剤師」を目指していれば、ドンドン昇給や昇進が可能なのがドラッグストア薬剤師。

薬剤師の資格を持ちながらドラッグストアのスーパーバイザー(SV)をしている人もおり、そうなると年収は700万円を軽く超えてきます。
上を上を目指せるのが、OTC薬剤師の面白いところですね。

OTC薬剤師に必要なスキルは何か

さてここまで薬剤師がOTCと関わる働き方についてご紹介しましたが、OTC薬剤師になるためには何が必要でしょうか。

あると便利だなと思うスキルは以下の通りです。

  • OTCの知識
  • 健康食品の知識
  • 接客経験

でも、どれもなくても大丈夫。
特に問題なく働けます。

多くのドラッグストア求人では「経験不問」となっており、即戦力を求めているのではありません。

一般用医薬品の知識がぜんぜんなくても、働きながら覚えられるので大丈夫です。
健康食品も同様で、品出しをしながら「どんな商品なのかな?」と見ていれば自然に覚えます。

調剤薬局で働いていれば服薬指導の経験がそのまま接客スキルに生きてきますし、お客さんと繰り返し話すことで慣れるので心配不要です。

そうは言っても中には人手不足すぎて「自分で学んでね!」と丸投げにされてしまうドラッグストアもあるようです…。

最初は慣れた薬剤師にガイドしてもらいながら学びたいと考える場合には、「OTC知識に不安がある」と転職コンサルタント等に伝えておくことで、研修制度や教育制度がシッカリとしたOTC求人を紹介してもらうことができます。

OTC薬剤師の求人は、いつも一定数出ているので転職経験が少ない薬剤師にとって、どれが自分に向いている求人なのか見極めが難しいところです。

いくつか転職サイトに登録して求人先の評判などを教えてもらうと、安心して転職できますよ。

まとめ

ドラッグストアなどでOTC医薬品を扱う薬剤師の仕事は、病院や調剤薬局とは違い「自分で考えて薬を決める」必要があります。

最初はそれが怖い・難しいと感じるかもしれませんが、慣れてくれば大きなやりがいを感じられます。
服薬指導の際よりも詳しく症状や生活環境を教えてもらえることが多いので、薬剤師の能力の発揮しがいがありますよ。

ドラッグストアでの仕事は様々な能力・年代のスタッフと働くことができます。
商品のバリエーションも多いので、調剤や病院での仕事に飽きている人にとっては新鮮で面白い環境だと思います。

年収も悪くない職場なので、転職を考えている薬剤師は選択肢の一つに入れてみてくださいね!

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