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医療を支える裏方として治験をサポートするCROとは?

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カクテルグラスと薬

薬剤師の就職先として主なものは病院・調剤薬局・ドラッグストアですね。
新卒薬剤師の就職先は、約7割がその3つで占められています。

多くの人が選ぶ就職先、でも何だかピンと来ないな~…という方もいるはず。

そんな方は医療現場以外で薬剤師の能力を生かせる職場、CROはいかがでしょうか?

CROはいわば医療を支える裏方です。
目立たない仕事ですが、未来の医療のためになくてはならない仕事なんですよ。

CROはどんな仕事なのか、その魅力や待遇などをお伝えしますので、就職先の選択肢を増やす参考にしてみてくださいね!

CROとは新薬開発に関われる仕事。治験のサポートや結果の統計管理・データ解析まで新薬が世に出るまで見守る役目

まずCROとはどんなものか、簡単に説明します。

CROとはContract Research Organizationの略称で、日本語では受託臨床試験実施機関といいます。

臨床試験と聞けば、多くの薬剤師は新薬開発を思い浮かべますね。
新薬開発における臨床試験は、新薬申請までに通らなくてはならない長い道のりです。

どんなに素晴らしい薬が開発されても、臨床試験で良い成績を残さなければ商品にはなれません。
そのためには「臨床試験の質」が大切です。

CROで働くCRA(Clinical Research Associate)は治験が行われている現場(病院など)へ足を運び、治験が計画通りに進んでいるかをモニタリングします。
それにより治験規定から逸脱した結果が反映され、臨床成績が悪化することを防ぎます。

逆に、違法に成績を高くしようとする行為を防ぐためのモニタリングでもあります。

「臨床試験の質」と共に重視されるのが「臨床開発のコスト」です。

治験結果の回収・報告や統計などすべての臨床試験に関わる作業を、製薬会社だけで行うことも可能です。
しかしそれだとコストが高くなりすぎてしまいます。

製薬会社は低コストで臨床試験を進めるため、外部企業(CRO)に一部仕事を委託します。
その分新薬開発に予算をさけますね。

最近では製薬会社の人件費削減のための仕事だけではなく、「低コストで高品質の臨床試験を進める」ためのプロトコル(治験実施計画書)の提案なども、CROに求められる仕事となってきています。

CROの年収は「それなり?」薬剤師がCROになるメリット・デメリットとは?

CROで薬剤師が働く場合、職種はCRAかDM(データマネジメント)のどちらかになることが大半です。
DMはCROが集めた治験データをまとめたり分析する仕事で、CRAを経験してからDMになるケースが多いですね。

CRA・DM共に平均年収は550万円程度で、薬剤師の平均年収と比べてそれほど変わりません。

薬剤師と違うのは「昇給幅が大きい」ということです。
製薬会社のMR同様に実績・役職が上がると、年収もドンドンアップします。

年収の上り幅はCRAの方が大きく、大手CROや外資系CROの管理職では年収1000万円を超えることがあります。
DMはそれほど高い年収は見込めないのですが、役職がつけば600万円以上にはなるので一般的な薬剤師よりも高収入ですね。

頑張り次第で高い年収が見込めることは、CROに転職する大きなメリットとなります。

病院や薬局の薬剤師に比べて暦通りの休みが取れるのも、嬉しいポイントですね。
お盆や年末年始もシッカリ休めます。

CROの福利厚生は女性社員獲得のため、女性に優しい内容を意識している企業が多く、産休・育休の取得や子育て後の復帰がしやすいように配慮してくれることが多いです。
一生を通じて仕事を続けられるようにサポートしてくれるのは、女性にとってありがたいです。

病院・薬局は意外にも、子育てをする女性に対する配慮が欠けている企業が少なくないですよね。

薬剤師がCROで働くデメリットとして一番に挙げるなら「CRAの出張の多さ」でしょう。
治験実施医療機関は全国にあるため、必要に応じて全国に飛び回る必要があります。
繁盛期には残業も多くなりがちです。

派遣社員など働き方の選択によっては「出張なし」「残業少なめ」という契約が可能な場合もあるので、求人の時点から条件をシッカリ確認しておきたいですね。
子供がいて家を離れられないなど出張ができない理由がある方は、事前に転職エージェントに希望を伝えた上で条件に合う求人を探してもらう方が早いでしょう。

DMであれば出張はなく、残業もCRAより少ない傾向です。
一部在宅での仕事も可能な場合もあるので、CRAより女性にやさしい職種ですね。
その分大きな昇給は望めませんが…。

薬剤師がCROで働くことのデメリットとして「現場で必要な知識が衰える」ことを指摘する人もいますが、こちらに関しては気にしなくてOKでしょう。

病院では経験者のみという求人もありますが、現状調剤薬局は未経験・ブランクありでも求人がたくさんあります。
知識に自信がなくても働きながら覚えることができますし、今どき電子薬歴システムで薬剤情報を確認してから投薬…なんてこともできるので、知識不足から現場に戻れなくなるなんて心配は不要ですよ。

CROは薬剤師じゃなくても働けるけど、薬剤師の知識が求められる環境

CROでの仕事はCRAやDM、その他の職種を含めすべて薬剤師の資格を必要とはしません。
薬剤師資格がなくても働くことはできますが、CROは積極的に薬剤師を採用する傾向です。

CROの仕事は現在とても人気があり、医療関係の大学卒業者以外の人や全く関係ない分野からの転職者も多い状況です。
たくさんの転職希望者の中から、優先して採用されるのは以下の人物。

  • CRO経験者
  • 営業経験者
  • 元医療従事者

CRO経験者が優遇されるのは当然ですし、CRAは営業職に近い仕事なので様々な職種の営業経験者は優先して採用される傾向です。(MR業界も同様ですね)

それに加えて薬や疾患に対する知識がある元医療従事者、特に薬剤師は比較的採用されやすい状況です。

なぜならCRAにしてもDMにしても、薬の知識が欠かせないからです。

コミュニケーション能力が高くても薬や疾患に対する知識が十分でなければ、医療現場で医師など医療従事者と専門的なやり取りができませんね。
データの統計、管理においても基礎的知識がなければ、仕事を円滑に行えません。

医療に対する知識が全くなければ採用後にミッチリと研修を行うのですが、薬剤師であればその必要は最小限で済むので会社としては即戦力にすることができます。
研修にかかる費用を抑えることにもつながります。

また研修を行った一般職出身者と比べても、基礎知識の量の差は歴然です。

つまりCROで薬剤師が求められる理由は「実践的な知識を持っているから」ということです。
CROは薬剤師の知識を臨床現場とはまた違った角度から生かせる仕事です。

ただし「薬剤師の知識」だけに頼っていては、仕事になりません。
特にCRAにはコミュニケーション能力も欠かせないので、面接で上手にアピールができないと薬剤師でも落とされてしまう可能性は十分にあります。

ほとんど全員が採用される調剤薬局・ドラッグストアの求人とは違う狭き門なので、CROへの転職はしっかりと下準備が必要です。

CROの仕事は激務?離職率はそれほど高くない

CROへの転職を検討していると「仕事がツライから止めた方がいい」「みんなすぐ辞めるらしいよ」なんて話が耳に入ることもあるでしょう。

確かに今まで調剤薬局や病院で働いていた薬剤師にとって、営業職であるCRAの仕事は大変だと感じることが多いと思います。
ただ、どんな業界でも今までやったことがない仕事をするのは、大変ですよね。

CROの仕事がツライと言われるのは、結局CRAの仕事の内容によるものです。

CRAは外勤中心で出張も多いので、今まで薬局内などで内勤をしていた人にとっては体力的にツライと感じます。
さらに繁盛期には残業せざるを得ないこともあるため、残業が少ない薬局や病院からの転職だとプライベートの時間が減って大変だと感じますよね。

一方同じCROの仕事でも、DMはデスクワークが中心なので体力的な辛さはありません。
薬局や病院での立ち仕事が大変な人にとっては、むしろ仕事がしやすいかもしれませんね。

ただDMも企業によっては残業時間が長いこともあります。

営業の仕事の大変さは正直「向き」「不向き」があるため、性格的に向いていない人がCRAに就くと「ツライ…」と感じてしまうかもしれませんが、営業の仕事に興味が持てる人が働くなら他の仕事に比べて特別に辛く大変な仕事ということはないでしょう。

その証拠にCROの離職率は、職業全体の離職率と比べてそれほど差がなく10~15%程度です。

また離職理由として「出張の多さ」「残業の多さ」が挙げられますが、「別のCROへの転職」もよく見られます。
CROで働くことがイヤでやめるのではなく、もっと条件の良いCROに転職するため辞めるということです。

CRO業界では有望な人材を求めて、頻繁にヘッドハンティングが行われるため、そのような転職理由での離職が多いんですよ。

つまり「出張頻度」「残業量」が自分の希望と大きくかけ離れていなければ、すぐに辞めたい気持ちになることは少ないと思います。

出張頻度や残業量、仕事内容は就職前にネットの口コミや転職サイトを利用することにより、リサーチ可能です。
気になる求人情報があったら、まずはその企業についてシッカリと調べてから応募する方が良いですね。

まとめ

CROでの仕事は、医療を支える裏方として治験のサポートなどを行います。
直接医療の現場で働くわけではないですが薬の専門知識が必要とされるため、薬剤師が求められる職場です。

長く続けて実績を積むほど高収入が狙える仕事ですが、外勤や残業が多く大変だと感じる場合もあります。
自分の希望するワークスタイルかどうかは、就職前にシッカリ確かめておきたいですね。

現場の薬剤師の仕事のように1日1日単位の仕事ではなく、長期間かけて1つのプロジェクトを進めて行く仕事です。
大変な面もありますが、1つの仕事を終えたときには大きな達成感を得ることができます。

薬剤師の仕事に対してつまらなさを感じていたり、「もっと新しいことがしたい」「実績を積んで昇進・昇給したい!」と考える方は、CROでの仕事を検討してみてはいかがでしょうか。

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