薬剤師のライフステージに合わせた仕事術、スキルアップに必要な知識や就職・転職情報サイト

Pharmaly|薬剤師生活応援サイト

薬剤師の悩み

法定労働時間って何?薬剤師が残業する理由と対処法について

更新日:

暗い部屋でパソコンの画面を眺め頭を抱える残業中の女性

「残業が多くて、プライベートの時間が取れない…」
「残業はほとんどないと聞いていたのに、実際は毎日残業だった」

このような残業に関するトラブルは珍しくありません。
想定外の残業は仕事・生活への満足度のどちらも落としてしまうため、自分の希望と合わない残業量の職場は避けたいですね。

残業量はその日の仕事量と言うよりは職場環境によって左右されることが多いので、残業をなるべくしたくないと考えるなら、就職前に残業量をチェックしておくことが大切です。

薬剤師の働く場所ごとの残業発生理由やその量、それに対する残業代についてまとめてました。

転職を考える場合には勤務時間だけではなく、予想される残業時間についても考慮しておくと良いですよ。

調剤薬局・ドラッグストア・病院における薬剤師の残業発生理由

調剤薬局の残業発生理由

薬局は閉店時間が決められていますが、実際には門前病院が閉まらない限り店を閉めることはできません。

病院から「最後の患者さんが薬局に向かいました」と連絡がないと、閉店できない薬局もあります。
薬局を閉められなければ、本来の閉店時間以降は残業が発生します。

病院が時間通りに終了していても、残業が必要なケースはいくつかあります。

  • 日中に混雑して、薬歴が終わらなかった
  • 翌日の予製が必要

薬歴は通常空き時間に書きますが、混雑が続くと調剤や投薬にかかりきりになってしまうので、閉店近い時間にならないと書けないということがあります。

朝はあまり混まない薬局なら翌日の朝のうちに書いてしまう方法がありますが、朝から患者さんが来る薬局なら残業が必要になってしまいます。
残業せずに薬歴を溜めることは、残業をするより避けたいことです。

時間のかかる一包化の患者さんが来ることがわかっている場合には、予製で対応する方が良いです。
半錠での処方が多い場合にも、待ち時間軽減のため半錠予製が必要となります。

混雑しがちな薬局では、予製をしておかないと翌日が大変になることがわかっているため、残業をしてでも予製をしなければならないシーンがありますね。

ドラッグストアの残業発生理由

ドラッグストアでの仕事は残業が多くなりがちです。
その理由は薬局や病院よりも、営業時間が長いからです。

もちろん基本の勤務時間は、正社員で1日8時間です。
ただ営業時間分キッチリ人員が確保できるとは限らず、パートやアルバイトで補えない分は正社員が残業するケースが多いのが現状です。

また、セールの準備や商品の入れ替えなどお客さんがいると行いにくい業務も多く、特にセール前日の値札張り替えは閉店後に残業にて行う必要があります。

ただし、これまでのことは一般社員に限った話です。

薬剤師は残業代が高いので、できるだけ残業をさせずに早く帰そうとする企業が多いです。

当然第一類医薬品の説明が必要なお客さんが、閉店後にもお店に残ってしまった場合や、医薬品の棚卸、管理などで残業となることもあります。

それでも積極的に、薬剤師に残業をさせようとするドラッグストアは少ない傾向です。

気をつけなくてはならないのは、残業代を支払わずに薬剤師にも残業をさせようとする企業が、残念ながら存在することです。

残業代の支払い状況については、就職前によく確認しておきたいですね。

病院の残業発生理由

病院での残業発生理由は、人員不足によるものが多いです。

調剤薬局は急に人が休んでも十分な人員を確保していることが多いですが、病院はギリギリの人数での運営が目立ちます。

そのため、急に混雑した場合、休み明けの平日などは仕事が終わりきらず残業となってしまいます。

翌日分の入院患者の調剤は、業務終了頃に行うことが多いですが、その頃にはパートさんが帰っているので特に人手が足りず、常に残業して調剤をしているなんてこともあります。

他医療職種と連携し、深く治療に関わることができるのは、病院勤務最大のメリットですが、その分ミーティングや勉強会が多くなるので、残業も多くなります。

勉強会は残業に含まないことが多いため、あまりに頻繁に勉強会があると薬剤師にとって負担となってしまうこともありますね。

残業代の計算方法とは?役職がつくとどうなるか

残業代の支払いについては、労働基準法で決められています。

1週間で40時間1日で8時間以内法定労働時間と呼び、それを超えて労働を行う場合には、経営者は残業代を支払わなくてはなりません。

法定労働時間外の残業代計算式は、以下の通りです。

残業時間×1時間当たりの賃金×1.25
(大企業で1か月の残業が60時間を超えた場合には1.5を乗じる)

1時間当たりの賃金は、月給から手当を引き、所定労働時間で割ると算出できます。

パートなど1日の労働時間が短く、残業を行っても法定労働時間を超えない場合には、単純に残業時間×時給という計算です。

ただし、この計算によって残業代が支払われるのは平社員のみです。

労働基準法において「管理監督者」と定められている者には、残業代を支払わなくて良いことになっているからです。

そのため調剤薬局の管理薬剤師や薬局長、ドラッグストアの店長、病院の薬局長は残業代をもらっていないことが多いんです。

労働基準法で残業代を支払わなくて良い管理監督者とは、「経営と一体的立場にある者」とされています。
実際に薬剤師の管理職が「経営と一体的立場にある」とは言い難いですよね。

多くの企業、職場では管理者に残業代を支払わない代わりに手当をつけているのですが、手当に見合わないほど残業が多いということもそう珍しくはありません。

転職前に管理者の残業代有無や残量量について確認しておきたいところですが、実際に残業代が支払われず平社員のときよりも給与が下がってしまったという場合には、労働基準監督署に相談してみるという方法もあります。

2008年にマクドナルドの店長が管理監督者に当たらないとして、裁判所が店長に残業代を支払わないのは違法だと判決を下した例もありますよ。

サービス残業をしていないか確かめるために、労働基準法を理解したい

自分の残業代が出ていないという方は、まずは自分の労働契約において残業代支払い義務があるのかどうか、確認してみましょう。

残業代の支払いについては、労働基準法で決められています。
企業が独自に決めるものではありません。

残業代の支払い義務があいまいになりやすいケースを、いくつかご紹介します。

みなし残業制

月に○時間残業するものと予め予測することにより、最初から残業代が給料に含まれています。
そのため、規定時間までは残業時間に関わらず、同じ給与となります。
みなし残業制の契約は、MRに多く見られますね。

しかし、みなし残業制でも、決められた時間以上残業をした場合には、残業代の支払い義務が生じます。
「みなし残業制だから、どれだけ残業しても給与が変わらない」というのは間違いです。

規定残業時間を超えた残業をしていないか、確認してみてください。

年棒制

薬局や病院にも、年俸制契約を行っているところがあります。

「年俸制だから、勤務時間に関わらず年収は固定」と言い切られて、サービス残業を強いられている薬剤師が残念ながらいるようです。

しかし、年俸制でも、残業代はちゃんと出ます。

法定労働時間は一般的な契約と変わらず、週40時間もしくは1日8時間を超えた勤務には、残業代の支払い義務があるんです。

年俸制だからタイムカードすらない…なんて職場もあるようですが、年俸制は雇用者が労働者の勤務時間を把握しなくて良い理由にはなりません。

法定労働時間を超えた勤務をしているなら、残業をもらう権利があります。

変形労働時間制・フレックスタイム制

夜勤が多い病院や、開店時間が長いドラッグストアなどで取り入れられている契約が、変形労働時間制です。

これは1日8時間、週40時間という規定に捉われずに労働ができる契約なので「月曜日は11時間働いて火曜日は5時間働く」「1週目は50時間、2週目は30時間」など働く場合に、この例だと月曜日や1週目の労働に対する残業代が出ないことになります。

しかし、変形労働時間制でも、1か月単位での法定労働時間が存在するため、残業代を支払う義務はシッカリと存在しています。

1か月単位の法定労働時間は、月の日数によって定められています。
1か月30日の月は171.4時間、31日の月は177.1時間となります。

フレックスタイム制も労働者が自由に勤務時間を決めることができる契約ですが、月単位での法定労働時間を超えた場合には残業代が発生するため、自分の勤務時間についてはちゃんと把握しておきましょう。

自己都合の残業

こちらは問題となりやすい残業代です。
多くの薬剤師に経験があると思いますが、自分のミスや自分の仕事が遅いために残業となることがありますよね。

例えば、発注漏れで欠品となり薬の郵送業務が発生した場合、薬歴システムに不慣れで薬歴が勤務時間内に終わらなかった場合などです。

  • 「自己都合の残業には残業代が出ない」
  • 「薬歴処理の残業は30分まで」

など規定があることが多いのですが、どんな理由でも残業は残業です。
残業代を支払わなくて良い理由にはなりません。

企業としては、残業代目当てに残業されないために決めている規則なのだと思いますが、本当に残業が必要な労働者に残業代を支払わないのは違法です。

仕事が遅いせいで残業となるなら、残業をさせないために工夫するのが管理者や雇用者の役目です。
どんな理由でも残業代を支払わなくて良いことにはならないので、安心してください。

サービス残業が発生している場合の対処法

上記でご紹介した残業代を支払わなくて良いケースには該当せず、サービス残業が発生している場合には未払い残業代を請求する権利があります。

未払い残業代は、後から請求できますが、時効があり2年以上前の残業代を請求することはできません。

直接請求する、労働基準監督署に相談するなどの方法で未払い残業代を請求する場合には、請求期限があることに気をつけたいですね。

また、未払い残業代の請求には証拠が必要です。
タイムカードなど残業の証拠がない場合には請求が難しいため、手書きでも良いのでタイムカードや出勤・退勤の記録をつけておきましょう。

サービス残業が多いため転職を考えているので、どうしても残業代をもらいたい!と考えるなら、訴訟を起こし裁判で残業代を支払ってもらうこともできます。

無料の弁護士相談サービスなどで、一度相談してみても良いでしょう。

転職するつもりがなく未払い代請求まで大事にはしたくないけど、今後サービス残業はしたくない…という場合には、残業を減らすための工夫が必要ですね。

残業を減らすためにはどうするべき?

残業が多く発生している状況を改善するためには、なぜ残業が必要なのか考えてみます。

例えば、薬歴や翌日までに行う必要がある調剤、翌日の開店準備が終わらず残業が続くのは、単純に人員不足が原因のことが多いです。

人手不足が残業の原因になっている場合は、管理者から企業の上層部や人事部に相談してもらいましょう。
もちろん人手が見つからず、解決に至らないこともありますが、パートの増員などを検討してもらえる可能性が十分にあります。

調剤薬局で門前病院が終わらないことで残業となる場合は、全員が残業する必要はないでしょう。
何となく全員残るルールだから…など無駄な理由で残業しているなら、ローテーションで残業をするなど工夫を考えることも必要です。

薬歴が終わらない場合には投薬数に偏りがないか、確認してみましょう。
投薬の速さには個人差がありますが、速い人だけがどんどん投薬をしていると薬歴もどんどん溜まってしまいます。

全員がまんべんなく投薬できるように、投薬数を管理するメモなどを全員で共有すると良いですよ。
発注などの雑務も、誰か一人に仕事が偏っていることで残業になることのないようにしたいものです。

もちろん個人で工夫をしようとしても、会社やその職場に変える気がなければ残念ながら意味がないことも多いです。

自分がどれほどがんばっても残業が減らない、サービス残業になってしまう…こんなときには、思い切って転職を考えるのも良いのではないでしょうか。

残業の悩みは解決できる

残業が全くないという職場はあまりありませんが、ほとんどない職場は探せば見つかります。

加えて残業代がシッカリ支払われているかどうかも、就職前に確認したいですね。

ネットの企業口コミや掲示板、SNSなどを利用することで残業についての情報を得ることはできますが、もっと積極的に利用したいのは転職コンサルタントです。

転職コンサルタントは実際に働いていた人の声をたくさん聞いています。

「○○というドラッグストアに勤めていたが、残業が多すぎるので転職したい」
「△△調剤薬局は残業代が出ないので転職したい」

このような生きた情報を、求める人に伝えてくれるので無駄な転職をせずに済むんです。

もちろん気になる企業の残業状況、残業代の支払い状況についてリサーチもしてくれます。

残業について悩みがある、転職はまだ考えていないけど他の職場の残業状況を知りたい…という方も、転職サイトで相談してみると解決方法が見えてきますよ。

M3グループが運営。薬剤師10万人以上が登録済み。調剤薬局、病院、ドラッグストアの薬剤師求人を全国4万件以上掲載。
薬キャリサイトイメージ

-薬剤師の悩み

Copyright© Pharmaly|薬剤師生活応援サイト , 2018 AllRights Reserved.