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いざという時のために!定期的に確認するべき薬剤師損害賠償責任保険

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薬剤師損害賠償責任保険とは「薬剤師並びに薬局が、調剤・販売等を行った医薬品などにより患者に被害を与えてしまった際に支払われる保険」のことです。

多くの薬局が加入している保険です。
被害を受けた患者は、加害者側として薬局を訴えることが大半で薬剤師個人を訴えることは稀です。

しかし、保険契約の補償範囲が薬局と管理薬剤師だけだったり、パートやアルバイトは除外されているものもあるので、個人で保険加入していると安心です。

今回は、薬剤師損害賠償保険とは何か?また、この保険制度を提供している組織・会社の情報などをお伝えします。

この記事のポイント

  • 薬剤師損害賠償保険は薬剤師と薬局を不慮の事故から守る保険
  • 薬剤師損害賠償保険は1年契約・毎年更新
  • 薬剤師損害賠償保険の補償対象は規約によって異なるので契約内容の確認が必要
  • 薬剤師損害賠償保険は薬剤師個人でも加入が可能
  • 保険料は基本プランで年間約2,000円~3,000円程度(オプション等の付加で値段は異なります)



薬剤師損害賠償保険とは?

調剤薬局では、薬を取り扱っている性質上、誤投薬が発生してしまいます。

どんなに精巧なシステムを導入していても、ヒューマンエラーは避けられません。

そこで、薬局・薬剤師が患者に被害を与えてしまったり、不慮の事故が起きた際に保険を支払ってくれる制度があります。
それが薬剤師損害賠償保険です。

多くの薬局は、会社としてこの薬剤師損害賠償保険に加入しています。

しかし、開局者が薬剤師以外で比較的小規模な薬局の場合、誤投薬といった医療ミスの対策まで配慮できず保険に加入していないケースがあったり、自動的に更新されないので「更新するのを忘れていた!」ということもあったりするので気をつけましょう。

また、薬剤師の中にはこのような保険があることすら知らないで、調剤業務を行っている人もいます。
一度は、加入の有無を確認するようにしましょう。

薬剤師損害賠償保険の補償範囲について

薬剤師損害賠償保険は、薬剤師業務上の不慮の事故によって、患者に対し法律上の賠償責任を負うことにより被る損害に対して保険金が支払われる制度のことです。

具体例として、日本薬剤師会の薬剤師損害賠償保険制度の補償範囲について見てみましょう。

補償内容(対象となる主な事故)

医薬品・商品等に関わる事故
調剤した医薬品や販売した商品等によって、また、患者・消費者に対して行った誤った情報提供によって、患者・消費者の身体を害したり、財物を損壊した場合の損害賠償金、弁護士費用 など
初期対応弁護士費用
患者・消費者に健康被害が発生するおそれがある場合、患者・消費者の対応について相談する弁護士費用
業務遂行中の法律上の賠償事故
患者・消費者に身体障害を負わせたり、死亡させた事故
施設・設備に起因する事故
店舗の建物・設備に起因する事故により生じる損害賠償

日本薬剤師会 正会員向け保険制度のご案内

※1回の事故につき支払われる損害賠償金は、1億円から2億円です。

薬剤師損害賠償保険は薬局契約と薬剤師契約がある?

薬剤師損害賠償保険には、基本的に「薬局契約」と「薬剤師契約」の2種類があります。

被害を受けた患者が加害者の薬剤師個人を訴えることは稀なので、多くの薬局では「薬局契約」で加入しています。

しかし、当事者の薬剤師個人が賠償責任を問われることもゼロではないため、薬剤師個人が加入する「薬剤師保険」もあります。

薬局契約と薬剤師契約の補償範囲は基本的に同じです。

ただ、薬局契約の場合は特定の薬剤師に対して、損害賠償請求があった場合は補償の対象となりません。
薬局契約の補償対象者は開局者と管理薬剤師です。

そのため、管理薬剤師以外の一般薬剤師が、個人的に不慮の事故に備えたい時には、個人的に薬剤師契約を結ぶ必要があります。

一般の企業で仕事上ミスをしたからと言って、損害賠償責任を負わされることはありませんよね。

しかし、医療の業界では、当事者の個人が訴えられて責任を取らされた裁判判例があります。
非常に厳しい世界に、従事していることをわきまえて対策しておきましょう。

また、転職活動時の面接や面談の場でも、薬剤師賠償保険加入について話をすることはほとんどありません。

軽視される話題の1つですが、保険加入の有無は事故が起きた場合は大切です。

実際に転職先の薬局で仕事を始めたら、必ず加入の有無と補償の対象を確認しておきましょう。

会社として薬剤師損害賠償保険に加入している場合
薬局契約(管理薬剤師であれば個人契約は必要なし、一般薬剤師であれば個人的に契約する方がよい)
薬剤師損害賠償保険に加入していない場合
会社側に問い合わせる必要があります。(多くが1年更新のため忘れている可能性があります。)
そもそも加入していない場合は、個人で加入した方がよいでしょう。
ポイント

  • 薬剤師損害賠償保険には2種類ある(薬局契約と薬剤師契約)
  • 薬局契約の場合は、基本的に開局者と管理薬剤師が補償対象
  • 薬剤師契約の場合は、契約者の薬剤師が補償対象
  • 薬剤師損害賠償保険に加入しているか随時確認する

薬剤師損害賠償保険のオプションについて

薬剤師損害賠償保険では、ベースとなる基本プランがあります。
加入と同時に基本プラン内容が補償範囲となります。

一般的に、この基本プランの補償範囲内で問題ないと考えられます。

しかし、昨今では厳重な個人情報保護モンスターペイシェントの発現により、薬剤師損害賠償保険の基本プランにオプションが増えてきています。

薬剤師損害賠償保険のオプションの種類

オプション例1:個人情報の漏えいに対する損害賠償

薬局で取扱う個人情報(処方箋内容・薬歴・アンケート内容・保険証・住所・電話番号など)は、患者個人情報です。

特に過去の病歴・生活習慣などは、秘匿性は極めて高い情報となります。

偶然な事由により個人情報が漏えいしてしまったり、(例えば、書ききれなかった薬歴を自宅で書こうと、持ち出し帰宅途中で紛失してしまったなど)、またはそのおそれがある際の損害賠償が対象です。

●厚生労働省のガイドラインには、安全管理措置や従事者の管理についての記載があり、個人情報の管理責任は、薬事法等で定める管理薬剤師が負うものとされています。
●薬局における個人情報の例 補償の対象となる個人情報の例:調剤録・処方せん・薬歴・レセプト・顧客名簿・OTC薬の販売記録・アレルギーの有無や既往症などの情報・顧客台帳(住所・氏名・電話番号等)

日本薬剤師会 正会員向け保険制度のご案内

オプション例2:ブランドプロテクト費用保険金

ブランドプロテクト費用とは、個人情報の漏えいにより、企業ブランド価値の毀損を最小限にする(ブランドプロテクト)ためのものです。

不慮の事故対応で支出した費用に対する保険金です。

支出費用例としては下記があります。

  • メディア対応費用
  • クレーム対応費用
  • 事故対応費用

テレビなどのメディアを通して、個人情報漏えいが原因で謝罪のための記者会見・謝罪文書送付などを行った際に、支出した費用をサポートするのが、このブランドプロテクト費用保険です。

薬剤師賠償責任保険制度を提供している組織の種類は?保険料は?

薬剤師損害賠償保険制度は、公益法人である日本薬剤師会や日本病院薬剤師会と、民間の会社や損保会社などで取り扱っています。

日本薬剤師会や日本病院薬剤師会の薬剤師損害賠償保険に加入するためには、条件として団体の会員である必要があります。

会員の場合は、所属団体の薬剤師損害賠償保険に加入することが出来ますが、会員でない場合は民間の損保会社などの薬剤師損害賠償保険に加入しましょう。

日本病院薬剤師会パンフレット

  • 保険料は、1年間単位です。
  • 施設加入契約の場合は、2,300円×加入薬剤師人数が年間保険料です。
  • 個人契約の場合は、2,400円です。

日本薬剤師会パンフレット

  • 保険料は1年単位です。
  • 薬局契約の場合の基本プランは3,600円。充実プランは4,500円。オプションを付けると保険料が上がります。
  • 薬剤師個人で薬剤師契約をする場合は、基本プランは1,950円。充実プランで2,850円です。

日本保険薬局協会(パンフレット 薬局向け 薬剤師向け

  • 保険料は1年単位です。
  • 薬局契約は、3,630円。
  • 薬剤師契約では、勤務薬剤師当たり2,570円です。

民間薬剤師損害賠償保険

民間で薬剤師損害賠償保険を取り扱っている会社もご紹介します。

株式会社メディカルコンセルジュ

  • 医療関係の人材派遣・転職支援サービス企業。
  • 派遣会社側が薬剤師損害賠償保険制度を持っている例です。

安心保険合同会社

  • 医療従事者向けの保険会社。
  • 医療従事者向けの損害賠償保険の会社です。
  • 薬剤師だけでなく、看護師・歯科医師の損害賠償保険も取り扱っています。

東京海上日動

  • 民間の大手損保会社。
  • 専門職業人賠償責任保険の中に薬剤師損害賠償保険があります。
  • (看護職賠償責任保険・薬剤師賠償責任保険・訪問看護賠償責任保険・弁護士賠償責任保険・司法書士賠償責任保険・旅行業者賠償責任保険・通関業者賠償責任保険・消防用設備等保守業者賠償責任保険・クリーニング業者賠償責任保険)

薬剤師損害賠償保険は定期的に確認することが重要

日常忙しく仕事をしていると盲点になりやすいのが、この薬剤師損害賠償保険です。

この保険は、不慮の事故で患者に被害を与えてしまった際に、発生する損害賠償金をサポートしてくれます。

この保険は1年契約ですので、更新を忘れたりすると期間外となり補償されないので毎年更新が必要となります。

また、補償対象が誰か?何か?それぞれの規約によって異なりますのでしっかり確認する必要があります。

医療現場で働いていると医療ミスは避けられません。

安心して業務に従事できるように、また深刻な患者トラブルを回避するためにも、加入の有無に関しては定期的に確認するようにしましょう。

近年では個人情報保護法の観点から、厳重な個人情報管理体制が問われています。
賠償保険のオプションとして、個人情報漏えいに対する損害賠償保険も出来ているので一度目を通しておくとよいでしょう!

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