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薬剤師で漢方薬に興味があればとって損なし!漢方薬・生薬認定薬剤師とは?

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粉末状の漢方やハーブとスプーン

薬学部学生時代に一生懸命覚えた作用機序…。
大変な思いをして覚えたおかげで、薬剤師になっても知らない薬と出会ってもある程度どんな薬なのかわかるかと思います。

でも、それは西洋薬に限った話です。
西洋薬の作用機序とは全く違い、大学の勉強やすでに持っている知識だけでは理解できないのが漢方薬です。

そのため、「漢方薬が苦手」という薬剤師も多いです。
漢方薬が苦手な薬剤師が多いということは、あなたが漢方薬について知識をもっていれば、周りの方と差をつけられるということです。

今回は、そんな漢方薬についての知識と、薬剤師が資格を取得するにはどうするべきか、また生かし方についてお話します。

そもそも漢方薬とは?

漢方薬とは、東洋医学の治療法の一つです。
一般に使われている西洋薬との一番大きな違いは、処方する対象だと言われています。

西洋薬が「症状」に対して処方するのに対して、漢方薬は「」に対して処方をします。
症状だけを見ずに一つの不調に対して、身体全体のバランスを整えることにより、改善を目指すということです。

症状だけを見る西洋薬の治療は「対症療法」となりがちですが、体質や体のバランスを見ながら体調を整える漢方治療は「根治」が可能なケースもあります。

その分、体質改善を行う治療となるため、症状の消失までには時間がかかる場合があります。
一方で、葛根湯や芍薬甘草湯など、急性症状に効果が見られる漢方処方も存在します。

漢方は生薬由来成分のため効果発現がおだやかで、副作用が少ないことで有名です。

しかし、その情報だけが先行していることによる弊害もあります。
一部の患者さんは、副作用が全くないと勘違いしていますが、アルカロイドやグリチルリチンの重複、西洋薬との相互作用により、重篤な副作用を起こす可能性は十分にあるため注意が必要です。

漢方薬・生薬認定薬剤師とはどんな職?

前述のように、漢方薬は学校で学んだ薬効薬理、作用機序では理解しにくい薬です。
その上、自己学習でも学びにくく、興味がある方が自発的に学ぶジャンルのため、漢方薬や生薬に詳しい薬剤師が少なく、これらの専門知識がある薬剤師が不足しているのが現状です。

その反面、どんどん世間の健康志向は強まっており、漢方薬への注目は集まっているため、専門知識を備えた薬剤師を増やすべく作られたのが漢方薬・生薬認定薬剤師です。

平成13年から日本生薬学会と日本薬剤師研修センターが、連盟で認定を始めました。

資格を取得することで、周りの薬剤師や医療従事者、患者さんの信頼を得られるのは当然ですが、専門知識をつけることで薬剤として周りと差別化でき、自信も持てます。

漢方薬の知識は、患者さんの症状や隠された体調不良を知るのにとても役立ちます。
漢方薬・生薬認定薬剤師の資格を取得する過程を経るだけでも、薬剤師として大きくスキルアップできるでしょう。

漢方薬・生薬認定薬剤師資格を取得する方法は?

認定を受けるためには、研修認定薬剤師同様に指定の単位を取得した上で、さらに試験に合格する必要があります。

単位を取得するための研修を受ける方法は「座学」「ビデオ集合(指定の場所に集合してビデオを見る)」「インターネット」の3つがあり、インターネット研修を利用すれば遠方に住んでいても問題ありません。

認定薬剤師の研修は多くの場合無料で受けられますが、漢方薬・生薬認定薬剤師の研修は有料で、他と比べ高額です。
平成29年度の研修は、座学が税込61,714円、ビデオ集合とインターネットは税込51,429円でした。
参考平成29年度漢方薬・生薬研修会

講習は有料ではありますが、その分実践的な知識を身につけることができます。

単位の取得が終わったら試問(試験)を受けて、合格すれば無事に認定です。
合格後には認定新規申請書が送付され、認定料税込20,572円を支払えば、晴れて「漢方薬・生薬認定薬剤師」となれます。
また、更新は3年後ごととなっています。

より実践的な知識を身に着けたい、他の薬剤師との差別化をはかりたい、と考えるなら、漢方薬・生薬認定薬剤師を目指すと自分のためにもなるでしょう。

漢方薬・生薬認定薬剤師のメリットとデメリットは?

仕事のモチベーションにつながるというメリット

漢方薬・生薬認定を生かして転職しようと思えば別ですが、基本的に働き方が劇的に変わるということはありません。
ただ、仕事の質やモチベーションは大きく変わります。

漢方薬はどの病院、調剤薬局でも出ることがありますが、あいまいな服薬指導をしている薬剤師が多い場合があります。
薬剤師側があいまいな認識だと患者さんも信じて服薬を続けられず、結局症状も体質も改善しないという残念な結果になりがちです。

逆に薬剤師が自信を持って漢方薬の説明をし、勧めることができれば、服薬を始めてすぐに効果が感じられなくても、患者さんが勝手に服薬をやめてしまうこともなくなり、症状・体質の改善が期待できます。

詳しい知識を持って服薬指導ができると、患者さんからの信頼を得られ、密なコミュニケーションを取りやすくなります。
服薬指導や会話の中で漢方薬を飲むときのアドバイスをしたり、時には処方内容が合っていないと判断し、処方医に確認する場面もあるでしょう。

漢方薬の知識は、医師でもあいまいになっていることが多いため、確かな知識に裏付けされた、漢方薬の解説は患者さんの信頼を勝ち取るためにも大切なことです。

患者さん・医師から信頼を得られれば仕事がしやすくなりますし、仕事への充実感も得られるようになります。

費用が思ったよりもかかるというデメリット

デメリットとして挙げられるのは、認定にお金がかかることです。

初回認定時の単位取得、認定にかかる費用のほかに、3年ごとの更新時にもお金がかかります。

知識をつけたいだけなら、初回だけ認定を受けて以後は更新しない、もしくは最初から研修だけ受けるという方法もあります。

また、漢方についての勉強会が少ないというのも、一つのデメリットです。
そのため、自分自身で考え、知識を身につけていく必要があります。

漢方薬・生薬認定薬剤師はどこで働くのがベスト?

転職を考えるなら漢方薬局一択

漢方薬・生薬認定を得たなら、それを生かして転職するのも良いでしょう。

漢方の認定資格を生かす転職先の代表は、当然ながら漢方薬局です。

ここで言う「漢方薬局」とは一般の調剤薬局のように医師の処方せんを応需するのではなく、薬剤師が処方内容を決める自由診療の薬局です。

そのため、患者さんの話を聞いて適切な漢方薬を決めるための、確かな知識が求められます。
働きながら漢方の知識をつけることも可能ですが、即戦力となる漢方薬・生薬認定薬剤師の方が求められる確率が高いのは当然です。

年収は一般薬剤師と大差なし

高い専門知識が求められる漢方薬局の薬剤師ですが、実は年収は一般調剤薬局の薬剤師とさほど変わらず450万円~550万円程度です。

年収は特別高くないのですが、調剤薬局と比べ、忙しく場面が圧倒的に少なく、ゆったりと働くことができるので、仕事自体は楽だと感じる薬剤師が多いです。
病院薬剤師のように夜勤もありませんし。

漢方薬局以外だと、漢方専門病院の門前薬局や院内薬局での求人が出ることもあります。
こちらも特別に年収が高いということはありません。

漢方薬局や漢方専門病院門前薬局は意外と人気

年収が特別高くないにもかかわらず、漢方薬局や漢方専門病院門前薬局の求人はとても人気が高いです。

仕事が忙しくないことも理由ではありますが、それよりも漢方に興味があって学んでみたいと考える薬剤師が多いことの方が人気の理由です。

将来的に薬剤師が余ることになったときに、周りの薬剤師とは違う知識や経験を積んでおきたいと思っている薬剤師が、増えてきていることが伺えます。

漢方薬局自体があまり多くないので、もともと求人数が少ない上に人気があるため、なかなか希望しても漢方関係の職場に勤めることはできないのが現状です。

漢方に関わる仕事がしたいと思っているなら、転職サイトに登録して漢方薬局などの求人が出たら連絡してもらうようにお願いしておきながら、その間に漢方薬・生薬認定薬剤師の取得を目指すのが良いでしょう。

漢方薬に興味があればとって損はない!

薬剤師の認定資格は漢方以外にも、「外来がん薬物治療認定薬剤師」「小児薬物認定薬剤師」「緩和薬物療法薬剤師」など多くの種類がありますが、その中でも「漢方・生薬認定薬剤師」は合格率が高く、取得しやすいのでじわじわと人気が出ています。

漢方薬を全く扱わない病院・調剤薬局・ドラッグストアはほぼないので、得た知識をすぐに生かすことができるのも魅力の一つですね。

人気が出ていると言っても、まだまだ認定者数は多くありません。(2017年6月30日時点で認定者は2,940名)
求人が激戦となった場合に優先されるのは、すでに認定を受けている薬剤師ですが、単位取得中でも優先される可能性が高いです。

漢方薬を学んでみたい、漢方薬に携わる仕事がしたいと考えているなら、まずは漢方薬・認定薬剤師の取得を考えてみましょう!

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