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体験談|調剤薬局が買収された!?そんなときに気をつけるべき点と心構え

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オフィスビル・不景気・経営難

2年毎の診療報酬改定の度に、調剤薬局の評価に関しての指標は厳しいものになってきていています。
巷では、個人薬局はM&Aによって、大手チェーン薬局に買収されていくと言われ続けています。

薬局件数だけを見ていると毎年毎年増えているように見えますが、今後はどうなっていくのでしょうか。

今回は、所属している会社が某薬局を買収した際のお話をします。

私は、一般薬剤師として買収されて間もない薬局へ数ヶ月間配属されました。
そこで目の当たりにしたのは・・・・旧薬局従業員VS新薬局従業員の構図でした。

※M&Aとは、Mergers(合併)and Acquisitions(買収)の意味です。
2つの会社が1つになって合併したり、ある会社が他の会社を買収することです。



最近の薬局業界のM&Aは?

自動車業界をみても製薬会社業界を見ても、吸収合併を繰り返して資本を大きくして経営力を強くしています。

どの業界もそうですが、経営が斜めになり始めた会社は大手に買収され易く、また資本を強くするために2つの会社が合併することで経営再建を行います。

商店街を歩いていると、突然薬局の看板の色が変わったりすることを目にします。
その時初めて「あっ・・M&Aがあったんだ」と気が付きます。

M&Aの情報は、全ての契約や手続きが終了してからオープンになるため、新聞に出たりニュースにならない限りあまり耳にしません。

それもそのはずで、M&Aを行う際には、秘密保持契約を結んでいるからです。
秘密保持契約とは、英語にすると分かりやすくてNDA(Non-Disclosure Agreement)です。

言葉を直訳すると、知りえた情報を第3者に洩らさない(口外しない)ことを、約束する契約書です。
そのため、絶対に情報が漏れることがないのです。

2016年調剤薬局のM&A

2016年の調剤薬局でのM&Aを見てみましょう。
業界最大手の調剤薬局チェーンが、続々とM&Aを行っています。

  • アインファーマシー 調剤薬局115店舗を持つチェーンを買収 (株 葵薬局)
  • 日本調剤 合同会社水野薬局を買収 ※水野薬局は日本で初の調剤薬局として有名でした
  • クオール 調剤薬局85店舗を買収 (株 共栄堂)
  • 総合メディカル 調剤薬局91店舗を買収(みよの台薬局グループ)
  • ココカラファイン 調剤薬局11店舗を買収(東邦調剤)

業界トップ5の調剤薬局チェーンで、1年間に300店舗近くもの薬局を買収しているのです。

これを読んでいる皆さんもよくご存知の調剤薬局も、買収された中にあったのではないでしょうか?
私自身、このM&Aを見たとき「えっ?経営上手くいってなかったのかな?水面下で何が起きているんだろう?」と少し怖くなりました。

あまり公にされていませんが、現在調剤薬局の売り上げの20パーセントが大手調剤薬局で占められていて、残りの80パーセントは中小調剤薬局ですが、将来的には大手がM&Aを繰り返して、全国に調剤薬局は20社ほどになるのではないか?とも言われています。

毎回の診療報酬により経営者は頭を悩ませています。
少しずつ少しずつ経営が困難になってきているため、「売れるうちに売ろう」と又は「買って貰える内に大手の傘下に入ろう」と水面下で静かに考えている経営者が多いとのことです。

M&Aによる会社内の人間関係

このM&Aによって買収された側の従業員と買収を行った側の従業員の人間関係は時に複雑になります。

私は買収した側の従業員として、ある店舗に数ヶ月だけ腰掛的に配属された時期がありました。

買収した薬局は2、3店舗の小さな薬局でした。
経営が上手くいかなくなりM&Aを申し出たと聞きました。

長年続けてきた薬局だったけれど閉鎖を覚悟していた矢先にM&Aの話を持ちかけられたようで元経営者はとても喜んでいました。

しかし、M&Aの難しいところは契約の内容なのかもしれません。
というのは、この薬局の場合は元従業員を新しい会社で雇用してもらう条件だったからです。

要は、M&Aによって違う調剤薬局グループの傘下に入るというケースです。
これは、傍から見ると「そうなんだ」程度の感覚ですが、両者の従業員間の調整を上手に行わないとけんかが起きます。

簡単にお話しすると、新しい会社の風土に急に染めようとすると、前から居た従業員や管理職らが大反発するのです。

M&Aに慣れている薬剤師は会社からの指示である「少しずつ少しずつ染め直す」の意味の咀嚼が比較的早くできます。
急に変えると、内部分裂が起きて収集がつかなくなるのを知っているからです。

例えば、後発医薬品1つ取ってもこのような会話が繰り広げられます。

新「後発医薬品調剤加算を取りたいので、少しずつ先発医薬品から後発医薬品を増やしていきましょう!」
旧「○○医師は、先発医薬品志向だからダメよ!」
新「厚労省も後発医薬品のシェア率を上げるように働きかけているじゃないですか。時代錯誤ですよ」
旧「後発医薬品にしたら患者が来なくなる!」

こんな感じです。
元従業員が新しい会社の方針に対して何かと反発してくるのです。

新しい会社側の従業員は内心・・・「だから経営が上手くいかなくなったんでしょ!!」と言いたい所ですが、今まで苦労して頑張ってきたやり方を、当たり前のように突然変えられると人間は自分を否定されたように考えてしまい、苦しめてしまいます。

その苦痛からM&Aの元従業員の多くは、最終的に退職を選ぶようです。
このような対立はM&Aの場合はよくある話のようです。

M&Aに該当する薬局で働くことになったら

私は、腰掛的に数ヶ月間だけM&Aが行われた薬局に配属されました。

短い期間だったのであっという間の出来事でしたが、M&Aの場合は契約締結後には関係する条件を従業員にも知らせたほうが、上手くいくのではないだろうか?という個人的な感想を持ちました。

私は買収した側の従業員なので会社の上司からの話を信じて、現場で働きます。
しかし、現場で元従業員と一緒に働いているうち、に買収条件の情報が上手く行き渡っていないことで、トラブルが起こっているようにも感じました。

例えば、契約時に条件として元従業員の採用がありましたが、M&Aの本質を知らず「薬局の看板と名前が変わるだけ」と聞かされて、それを鵜呑みにしている従業員もいました。

客観的に考えられると「そうは言っても口実でしょ?」と話半分に聞きます。
しかし、M&Aの場合は一従業員には突然の出来事なので、冷静に考えられる余裕はないのです。

「薬局の看板と名前が変わるだけ」という言葉から、業務は今までどおりのスタイルでいいんだ・・と勘違いしてしまうのです。
業務の指示系統が、新しい本部から来るなんて「聞いてない!」という雰囲気でした。

この辺りは、買収する側にも責任があってM&Aを、うまく進めるために「今までどおりで大丈夫ですよ」なんて軽く言ってはいけないんじゃないかな?と思いました。

両者の間に挟まれながら仕事をしてみると、お互いが都合の良いように解釈している事に気が付きます。
全く違う文化を、うまく融合させるためには、時間を味方につけるしかないですよね。

もしあなたの勤めている薬局がM&Aで買収されたら

M&Aで買収される側の原因は大半が経営難です。

  • 処方箋枚数の激減
  • 診療報酬による処方箋単価の低下
  • 高額な人件費による経営圧迫

など理由はさまざまです。

処方箋枚数の激減が原因の場合

買収後に同じ薬局で働くことを、選択しても先細りの可能性大です。
処方箋が、他の薬局に流れている可能性があります。

買収先が大きな調剤薬局チェーンであれば、異動先店舗が近隣に沢山あるので、異動願いが通るか確認してみましょう。
希望地域に異動できる店舗がない場合は、同じことの繰り返しになるかもしれないので、転職を考えたほうがよいかもしれません。

診療報酬による処方箋単価の低下

処方箋単価の低下は、経営の失敗の代表です。
新しい会社に入ることで、将来的な可能性を感じるのなら、退職は踏みとどまってよいと思います。

高額な人件費による経営圧迫

人件費による圧迫が原因で、薬局を手放さざるを得なくなった経営者は、結構存在します。
1、2店舗しかない小さな調剤薬局の賃金形態は、経営者の裁量によるものが多いからです。

経営者は、人材確保の面でも相場より高く、薬剤師年収を提示します。
しかし、年々昇給をしていくシステムをとっていると、最終的に経営の圧迫に繋がってしまうようです。

経営者は、薬局の価値に応じた買収金額を得られることが多いので、薬局を売ると儲かると聞きます。
しかし、一従業員は違うようです。

小さな薬局で年収700万円もらえていた薬剤師が、M&A先の大手調剤薬局チェーンの社内賃金表に当てはめ、提示された金額は年収600万円だったと聞いたことがあります。

この話は業界ではよくある、あるある話のようです。
給料面で不満があるような場合は、早めに転職活動を行ったほうがよいでしょう。

まとめ

今後の診療報酬改定の動向と調剤薬局のM&Aの勢いを見ると、今働いている薬局もいつの間にか買収されていたり・買収していたりという現実に、直面する事が多くなると思います。

業界全体の大きな流れには逆らえないので、もし自分がその当事者になったらどうしたいか?を考えながら転職活動をしたり資格を取っておくことをおススメします。

M&Aの場合は先にお伝えしたように秘密保持契約の関係上、社員に事前に「倒産するかも」とか「買収先を探しております」などの内部通知を行ったりはしません!!

一般従業員へは、ある日突然伝えられます。
調剤薬局業界で働く薬剤師にとっては、明日は我が身かもしれません。

私が数ヶ月間一般薬剤師として配属した薬局は、旧従業員VS新従業員で買収当初は衝突していましたが、時の流れが解決するのか少しずつ買収された側の従業員が会社の風土に慣れてきて、落ち着いてきて上手くやっています。

何が起きるか分からない調剤薬局業界なので、急な出来事には戸惑いますが、どんな形に変化してもしなやかに対応できるといいのかなと思います。

東京都 女性

中規模病院薬剤師を6年(総合病院の薬剤部)、国際病院にて国際共同臨床試験を7年(抗がん剤の新薬国際共同治験)に携わってきました。現在は調剤薬局にて勤務中です。
資格:薬剤師免許(保険薬剤師、認定薬剤師)、衛生管理者免許

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